
筋トレと有酸素運動、同じ日にやるならどちらを先にするべきか。ジムでもよく聞く疑問だが、順番次第で脂肪燃焼や筋肥大の効率が変わるとされている。
なんとなく「有酸素で体を温めてから筋トレ」と考えがちだが、実は目的によって最適な流れは異なる。
体のエネルギーの使われ方やホルモン分泌の仕組みを知ると、その理由が見えてくる。
筋トレ→有酸素が基本とされる理由
現在のフィットネス現場では、筋トレを先に行い、その後に有酸素運動を行う流れが基本形とされることが多い。
背景にあるのは、運動時のエネルギー利用の違いだ。
筋トレのような無酸素運動では、主に筋肉内の糖質(グリコーゲン)がエネルギーとして使われる。
一方、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動では、脂肪がエネルギーとして動員されやすいと考えられている。
先に筋トレで糖質をある程度消費しておくと、その後の有酸素運動で脂肪が使われやすくなる可能性がある。
この“役割分担”が、筋トレ先行が推奨される大きな理由だ。
さらに、筋トレのような高強度運動では成長ホルモンの分泌が促され、脂肪分解が進みやすい状態になると報告されている。
こうした生理的な流れから、脂肪燃焼効率を考えると筋トレ→有酸素の順が合理的と考えられている。
実は多い「有酸素先」の誤解
ここで一つ、よくある思い込みに触れておきたい。
「有酸素運動で体を温めてから筋トレをした方が脂肪が燃える」という考え方だ。
軽いウォームアップとしての有酸素なら問題ない。
むしろケガ予防の観点から推奨される場合もある。
しかし、30分以上の本格的な有酸素を先に行うと、筋トレ時のパフォーマンスが落ちる可能性が指摘されている。
筋トレでは扱う重量や出力が重要になる。
先に長時間の有酸素で疲労してしまうと、十分な負荷をかけにくくなり、筋肥大の刺激が弱まる恐れがある。
脂肪燃焼だけでなく、筋肉量の維持や増加を考えるなら、この点は見逃せないポイントだ。
目的別で変わる最適な順番
もっとも、順番は一律ではない。トレーニングの目的によって優先順位は変わる。
体脂肪を落としたい、いわゆるボディメイク目的の場合は、筋トレで筋肉に刺激を入れてから有酸素で消費を高める流れが理にかなっていると考えられている。
一方で、マラソンや持久系競技のパフォーマンス向上が最優先なら話は別だ。
走力や心肺機能のトレーニングの質を高めるため、有酸素運動を先に行うケースもある。
筋肥大を最優先する場合は、有酸素を同日に長く行わず、筋トレ後に短時間に抑える、あるいは別日に分ける方法が現場ではよく採られている。
軽い有酸素は例外的に「先でもOK」
誤解されやすいが、すべての有酸素がNGというわけではない。
5〜10分程度の軽いバイクやウォーキングは、体温を上げ関節の動きを滑らかにする目的で行われることが多い。
これは本格的な脂肪燃焼目的の有酸素とは性質が異なる。
あくまでウォームアップの一環であり、筋トレの質を下げにくい範囲とされている。
心肺機能を高めたいなら有酸素運動を先に行うのは理にかなっています。
ただし、目的や強度によって最適な順番は少し変わります。
■ 心肺機能アップが目的なら「有酸素→筋トレ」が向きやすい
心肺機能(持久力・スタミナ)を高めたい場合、トレーニングの質が最も重要になるのは有酸素運動です。
有酸素運動は、
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心拍数を一定時間高める
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酸素を運ぶ能力を鍛える
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持久系のエネルギー供給を強化する
といった特徴があります。
そのため、体力がフレッシュな状態で行ったほうが、狙った心拍数や運動強度を維持しやすいと考えられています。
筋トレを先に行うと、脚や全身が疲労し、
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ペースが上がらない
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心拍が十分に上がらない
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継続時間が短くなる
といった形で、有酸素の質が落ちる可能性があります。
順番以上に見落とされがちなポイント
順番の議論に目が向きがちだが、実際の効果を左右するのはトータルの運動量や継続性だと指摘されている。
どれほど理想的な順番でも、頻度が低かったり、有酸素を極端に長時間行って筋肉量が落ちてしまったりすれば、本来の目的から外れてしまう。
一般的なボディメイク目的であれば、
・筋トレでしっかり負荷をかける
・有酸素はやりすぎない
・無理なく継続する
このバランスが現実的と考えられている。
トレーニングの順番は小さな違いに見えて、体づくりの方向性を静かに左右する。
目的に合った流れを選ぶだけで、同じ時間の運動でも手応えは変わってくるはずだ。