
腹筋トレーニングとして人気のレッグレイズ。
ところが脚を上げた瞬間、股関節から「ポキッ」「コキッ」と音が鳴ることがあります。
痛みがない場合でも、「関節がずれているのでは?」と不安になる人は少なくありません。
実はこの音、多くの場合は珍しい現象ではなく、股関節の構造や筋肉の動きと深く関係していると考えられています。
レッグレイズで股関節が鳴る理由を知ると、トレーニングのフォームや体の使い方が見えてきます。
腹筋種目としてのレッグレイズの意外な一面も含めて、少し掘り下げてみましょう。
股関節の音の正体は「弾発股」と呼ばれる現象
レッグレイズで股関節が鳴る場合、よく見られる原因の一つが「弾発股(だんぱつこ)」と呼ばれる現象です。
英語では「スナッピングヒップ」とも呼ばれています。
これは股関節周囲の筋肉や腱が、骨の出っ張りを乗り越える際に弾かれるように動き、音が出る状態を指します。
音のイメージとしては、輪ゴムが引っかかって弾ける感覚に近いとされています。
股関節周囲には多くの筋肉や腱が走っています。
特に次のような筋肉が関係していることが多いとされています。
- 腸腰筋(脚を上げる筋肉)
- 大腿筋膜張筋
- 腸脛靭帯
これらの組織が骨の表面を滑るように動くため、特定の角度で「コキッ」という音が出ることがあるのです。
実は腹筋よりも股関節を使う種目
ここで少し意外な事実があります。
多くの人が「腹筋トレーニング」として行っているレッグレイズですが、実際には股関節を動かす筋肉の働きが大きいとされています。
脚を持ち上げる動きは、解剖学的には「股関節屈曲」という動作です。
この動きの主役になるのは腹筋ではなく、腸腰筋と呼ばれる筋肉です。
つまり、脚をそのまま持ち上げるレッグレイズでは、
- 腸腰筋
- 大腿直筋
といった股関節の筋肉が主に働きます。
そのため股関節周囲の腱が動きやすくなり、音が鳴るケースがあると考えられています。
骨盤の動きがフォームを大きく変える
レッグレイズで股関節の音が気になる場合、フォームを見直すことで改善することがあります。
ポイントになるのは「骨盤の動き」です。
脚を上げるだけのレッグレイズでは、股関節が大きく動きます。
一方で骨盤を丸めるように動かすと、腹筋の働きが強くなります。
骨盤を丸めるレッグレイズ
この動きは、トレーニングの世界では「リバースクランチ」に近い動作です。
脚を上げるというより、骨盤を胸に近づけるイメージになります。
骨盤が後ろに傾く(後傾する)と、
- 腹直筋が強く働く
- 股関節の動きが小さくなる
という特徴があります。
結果として、股関節周囲の腱の動きが減り、音が出にくくなることがあります。
骨盤を丸めるレッグレイズ(腹筋主導)は、いきなりやるとほとんどの人が 腸腰筋レッグレイズになってしまいます。
なので **「骨盤後傾 → 骨盤カール → レッグレイズ」**という順番で段階的に作るのが理想です。
ここでは 初心者 → レッグレイズ完成までのステップを組みます。
骨盤を丸めるレッグレイズのステップアップメニュー
① デッドバグ(骨盤後傾を覚える)
まず最初は 骨盤を丸めた姿勢を維持する練習です。
目的
-
腹圧を作る
-
腰を反らない感覚を覚える
やり方
-
仰向け
-
腰を床に押し付ける(骨盤後傾)
-
手足をゆっくり伸ばす
目安
-
10回 × 3セット
できるようになったら次へ。
② ニートゥチェスト(骨盤カール)
ここで 骨盤を丸めて動かす動作を覚えます。
目的
-
腹直筋で骨盤を動かす
やり方
-
膝を曲げる
-
膝を胸に引き寄せる
-
骨盤を丸めてお尻を少し浮かせる
ポイント
脚ではなく
骨盤を胸に近づける
目安
-
15回 × 3セット
できたら次へ。
③ リバースクランチ
ここで 脚を上げた状態で骨盤カールします。
目的
レッグレイズの前段階
やり方
-
脚を90°上げる
-
骨盤を丸めて腰を浮かせる
ポイント
反動NG
腹筋でゆっくり
目安
-
12回 × 3セット
④ ネガティブレッグレイズ
ここで初めて 脚を伸ばします。
やり方
-
骨盤を丸めて脚を上げる
-
ゆっくり下ろす
目的
腹筋のコントロール強化
目安
-
8〜10回 × 3セット
⑤ 骨盤カールレッグレイズ(完成)
これが最終形です。
動き
-
骨盤を丸める
-
脚が上がる
-
上で骨盤をさらに巻く
つまり
脚を上げる
↓
骨盤カール
↓
腹筋最大収縮
ステップアップ基準
次の段階に行く目安です。
| 種目 | 目安 |
|---|---|
| ①デッドバグ | 20回 |
| ②ニートゥチェスト | 20回 |
| ③リバースクランチ | 15回 |
| ④ネガティブレッグレイズ | 12回 |
重要なフォームポイント
レッグレイズ成功の鍵はこれです。
脚を上げる → ではない
骨盤を丸める → 脚がついてくる
この感覚を崩さないこと。
音が鳴っても問題ないケースと注意点
股関節の音は、必ずしも異常とは限りません。
痛みがなく、動きもスムーズであれば、多くは生理的な現象とされています。
ただし次のような場合は注意が必要です。
- 音と同時に痛みがある
- 股関節が引っかかる感覚がある
- トレーニング後に違和感が残る
このような場合は、股関節周囲の炎症や関節トラブルが関係している可能性もあります。
無理にトレーニングを続けるのは避けた方がよいでしょう。
痛みを感じなかったり嫌な感覚がなければ問題ないとは思いますが少しでも違和感があるなら改善した方がいい
レッグレイズの意外なポイント
レッグレイズは腹筋種目として広く知られていますが、実際には股関節の動きが大きく関わるトレーニングです。
そのため、フォームによっては腹筋よりも腸腰筋が強く働くことがあります。
股関節の音が気になるときは、脚を上げることよりも、骨盤を丸める動きを意識するとよいとされています。
体の動き方を少し変えるだけで、トレーニングの感覚が大きく変わることもあるのです。
レッグレイズで股関節が鳴る理由を知ると、腹筋トレーニングの奥深さが見えてきます。
同じ種目でも、体の使い方ひとつで全く違う運動になるという点は、筋トレの面白いところかもしれません。
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