概論

筋肉だけじゃない?自重トレで育つ体の中身の話


自重トレーニングというと、腕立て伏せやスクワットで筋肉を鍛えるもの、という印象が強いかもしれません。
けれど実際には、運動で変化するのは筋肉だけではないと考えられています。
「最近、関節が動きにくい」「力が入りにくい」と感じる理由も、別の場所にあることが多いようです。


筋肉より先に変わるものがある

自重トレを始めたばかりの人が「筋肉痛はないのに動きが軽い」と感じることがあります。
これは筋肉が太くなったというより、神経の働きが変わった影響だと説明されることが多いです。

神経は、筋肉に「いつ、どれくらい力を出すか」を伝える役割を持っています。
普段あまり使われていない動きでは、この伝達が鈍くなっている場合があります。
小さな動きを丁寧に行うと、神経が再びその関節を使う準備を始めると考えられています。

そのため、いきなり強い負荷をかけるよりも、軽い自重運動で動きを確認するほうが安全だとされています。


腱・靭帯・筋膜はどう育つのか

筋肉と骨をつなぐ腱、関節を安定させる靭帯、全身を包む筋膜。
これらは「動かない組織」というイメージを持たれがちですが、実際には刺激に応じて性質が変わるとされています。

腱や靭帯は、急激な強い力よりも、繰り返される中程度の張力に反応しやすいと言われています。
自重トレのように、体重をゆっくり支える動作は、これらの組織にとって相性が良いと考えられます。

筋膜についても同様で、一定方向だけでなく、ねじりや揺らぎを含む動きが重要だとされています。
単調な筋トレだけでは得られない感覚が、全身の連動を助ける場合があります。

 

 

 

血管や皮膚にも起きている変化

運動で血流が良くなる、という話はよく知られています。
実際、継続的な運動によって毛細血管が発達しやすくなる可能性が指摘されています。

自重トレでは、筋肉を長時間緊張させる場面が多くなります。
その結果、血管が圧迫と解放を繰り返し、循環の効率が高まると考えられています。

皮膚についても、引っ張られたり圧を受けたりすることで、感覚の鋭さが変わることがあります。
足裏トレーニングや床に手をつく動作で、体の使い方が変わったと感じる人がいるのは、この影響だと見る向きもあります。

 

 


内臓は「鍛える」というより支え直す

内臓そのものを筋トレのように鍛えることはできないとされています。
ただし、内臓を支える筋肉や神経の働きは、運動によって変わる可能性があります。

呼吸を伴う動きや、体幹を安定させる姿勢は、腹圧と呼ばれる内部の圧力を高めます。
この腹圧が適切に使えるようになると、内臓が本来の位置で安定しやすくなると言われています。

四股やブリッジ、ゆっくりしたスクワットが「体の中が整う感じがする」と言われる理由も、ここにあると考えられています。

 

 


鍛えにくい順でランキング

筋トレというと、どうしても「鍛えやすい部位」から話が始まりがちです。
腕や胸、太ももなどは変化が目に見えやすく、達成感も得やすい部分だと言えます。

一方で、運動によって変化はするものの、意識して育てるのが難しい部位も存在します。
体の内側にあり、変化が数値や見た目に表れにくいためです。

ここでは、自重トレーニングの観点から、鍛えにくいとされる部位を順に並べて考えてみます

 

 

「運動で“鍛えにくい順ランキング」を、
科学寄り × 実感ベースでいきます。

ポイントは
👉 適応の遅さ
👉 血流の少なさ
👉 壊れたときの回復難度


🥇 第1位:靭帯

いちばん鍛えにくい王者

なぜ?

  • 血流が極端に少ない

  • 代謝が遅い

  • 一度伸びると戻らないことが多い

何が起きる?

  • 強くはなるが、変化が見えない

  • 適応に半年〜年単位

👉 靭帯は
「鍛える」というより「壊さず育てる」


🥈 第2位:腱

鍛えられるけど超スローペース

特徴

  • コラーゲン主体

  • 回復が遅い

  • 負荷が合わないとすぐ炎症

適応スピード

  • 筋肉:数週間

  • 腱:数か月

👉 だから
筋肉が先に強くなって
腱が置いていかれて故障しやすい


🥉 第3位:関節軟骨

動かさないと劣化、動かしすぎても死ぬ

厄介ポイント

  • 血管ゼロ

  • 栄養は「圧→解放」でしか入らない

何が必要?

  • 適度な荷重

  • 可動域を使う動き

👉 しゃがむ・立つ・歩く
これが“関節の食事”


第4位:筋膜

鍛えられるが、方法が独特

なぜ難しい?

  • 筋トレでは刺激が偏る

  • 単一方向だと硬くなる

効く刺激

  • 弾む

  • ねじる

  • 全身連動

👉 筋膜は
動きの質に正直


第5位:血管

実は賢くて、反応はいい

特徴

  • 刺激に対する適応が早い

  • 有酸素で即変化

ただし

  • 使わないとすぐ退化

  • 加齢・生活習慣の影響大


第6位:神経

鍛えやすいが、サボると即劣化

良い点

  • 学習が早い

  • 反復でどんどん洗練

悪い点

  • 同じ動きだけだと頭打ち

👉 神経は
多様性がエサ


第7位:皮膚

鍛えやすいけど気づかれない

変化

  • 感覚が鋭くなる

  • 圧や摩擦に強くなる

👉 裸足・多方向移動で即反応


第8位:筋肉

一番わかりやすく鍛えられる

特徴

  • 血流豊富

  • 回復早い

  • 見た目が変わる

👉 だから
「鍛えてる感」が一番出る
=勘違いの温床


🧠 総合ランキング(鍛えにくい順)

1️⃣ 靭帯
2️⃣ 腱
3️⃣ 関節軟骨
4️⃣ 筋膜
5️⃣ 血管
6️⃣ 神経
7️⃣ 皮膚
8️⃣ 筋肉


💡ここが本質

多くの人は
8(筋肉)だけを爆速で育てて
1〜4を置き去りにする

結果👇

  • 強いけど壊れる

  • パワーあるけどキレがない

  • 若い時だけ動ける


👉 一生モノの身体を作るには1~4を鍛えるべし


安全に育てるための順序という考え方

「動くはずの関節が動かない」という状態は、筋力不足ではなく神経の問題である場合があります。
この場合、いくら筋トレを重ねても、違和感が消えないことがあります。

一般的には、神経の働きを目覚めさせ、関節の動きを取り戻し、その後に筋肉や腱へ負荷をかける流れが安全だとされています。
自重トレは、この順序を自然に踏みやすい点が特徴です。

派手さはありませんが、長く続けるほど体の使い方が変わっていく。
そこに、自重トレーニングの面白さがあるのかもしれません。


筋肉だけを見るのではなく、体全体のつながりに目を向けると、いつもの自重トレが少し違って見えてきます。

 

 

 

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